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@801板
509 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2009/12/19(土) 03:15:53 ID:4cmnKX5CO
保守がてら珍しいメニューを見たときの妄想をば
うどんは自らのおかれた状況に戸惑いをかくせなかった
黄金色のバターが肌をつたってうどんの全身をおおい、桃色のタラコの粒がこれを彩っていた
「これじゃあまるでタラコスパじゃないか・・・」
別に彼らの派手な装いを否定する気はない
ただこれは細身で麦の色の鮮やかさをもった彼らだから似合うのだ
自分の姿ではただただ異様で滑稽だろう
厨房の全てのメニューが自分を見て笑っている気すらする
しかしうどんの思いとは裏腹に、バターはその肌の滑らかさを際立たせ
白い肌に散ったタラコの桃色はさながら恋する乙女の頬のように鮮やかで
いまやうどんの姿は誰もが振り向くほどになまめかしかった
ふと、真上から落とされた影に顔をあげる
「卵・・・さん?」
510 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2009/12/19(土) 03:17:27 ID:4cmnKX5CO
影の主は古くからの友人の卵だった
その懐かしさに思わずうどんは目がうるんだ
慎ましやかに過ごしていたころの月見うどんのダシの香さえうかんできて涙がこぼれそうだった
しかし、何か様子がおかしい
「卵さん?」
「・・・すまない」
「え?」
卵が、割りいれられる
「やあっっなにこれアツっ・・・」
「ゴメンな、うどん」
卵の中身は見慣れた姿とはかけはなれていた
熱を帯びた黄身をより硬くし、あついトロトロの白い身をうどんにぶちまけた
−−半熟卵である
「もう、戻れないんだ」
「あ、あ、かきまぜちゃダメぇっっ」
「許してくれ、うどん」
溢れ出した黄身と絡み合う快感のなかで卵の切なげな贖罪の言葉は
うどんの頭のなかでうつろに響いていった
終
タラコバターうどん半熟卵ものってるとカロリーたかそうだ