うどん板から来ました
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@801板
636 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2010/11/24(水) 18:35:02 ID:4OiG81J2O
鍋の〆のうどんって美味しいよね!って思ったらなんか降ってきた
うどんは具材たちがすっかりいなくなった鍋の中にすべりこんだ。
少し温もりを失った汁は彼らの旨味や香りをたっぷりと含んでいる。
うどんはその汁と香りにつつまれてその身をほどいていく。
香りをかぐたびに身体が熱を帯びてくる。香りのむこうの誰かを思ってしまう。
「ダメだ・・・こんなこと」
頭ではわかっている、けど点いたガスを消すことはできない。
いけないと思っていても身体はそれに反してどんどんほぐれ、熱くなっていく。
鍋のなかでその身をくねらせるうどん。
「お前、一人でなにしてんだ?」
「!!!」
思わぬ声に振り返るとそこにいたのはモチだった。
調理に夢中になるあまり鍋に入ってきた彼に気づかなかったようだ。
「へえーお前ってこんなことするヤツだったんだ」
モチは軽蔑とも嘲笑ともつかない笑みをうかべてうどんを見下ろした。
「ち、違う」
「なにが違うんだよ」
そうだ、なにも違わない。彼の残り香を求めて、そして、
「誰のこと考えて調理(ヤ)ってたんだ?」
「・・・っ!」
今度は恥辱に身体が麺の先から熱くなる。
「なあ言えよ、誰のこと考えてこんなんなってんだよ。」
モチがうどんに覆い被さる。
「・・・っやめて」
「言ってしまえようどん。
誰が恋しくてこんな色づいてんだ?え? 言わないんなら・・・」
モチが形をかえてうどんに絡みつく。
「お前が言うまでこのままだぞ。」
「やだっはなしてっ」
抵抗しようにも、熱が入りすぎてコシを失ったうどんにはなにもできない。
「このままだとお前箸でつまめないくらいグズグスになるまで煮込まれるかもなぁ。」
モチが卑猥な笑みを浮かべる。
「お願い、それだけは・・・!」
うどんは懇願したが、名前を言えない愛しい彼の香りのなかで
モチにいいように調理されるしかなかった。
両方いっぺんに入れるのって邪道だよね。
Udon's Art of Capcom 2
posted by moge at 01:53
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