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@喪女板
70 名前: 彼氏いない歴774年 [sage] 投稿日: 2010/03/22(月) 01:09:40 ID:2w3P6wGD
大規模なミスコンの代表選手に選ばれた。
ずらっと鏡の並んだメイク室で待機してて、家族全員応援に駆けつけてくれた。
なぜか自分は自信満々で優勝確実だと感じている。
なんという万能感。今なら何でも出来る。
石油王でもどこかの国の王子でもマフィアのボスでも
今の自分の前では初めて恋をした少年。いや、健気に愛を乞う子犬のようだ。
「ふふ、待っててね。
次にステージから戻ってくる時にはトロフィーと花束を持っているわ」
他の参加者も自分には適わないと認めている。嫉妬どころか羨望の眼差しで見てくる。
さあ、まず始めにドレスに着替えなくてはという所で我にかえる。
足のむだ毛を処理していない。
他の所は完璧に脱毛しているのに、おっさん並みに生えた剛毛が私の足を占拠してる。
本番が始まる前にどうにかしなくてはと引き止める家族や係員に忘れ物をしたと言って
何とか毛を処理できる道具を探しに走った。
でも何も無い。はさみもカッターすらも見つからない。
もうすぐ本番が始まってしまう。
追い詰められた自分の頭にステージ横の控え室(殿堂入りしたミス達が
プレゼンターをする為スタンバッてる)にカミソリがあると天の声が教えてくれた。
でも控え室にはそうそうたる美女が出番待ちで控えている。
むだ毛を処理し忘れたなんてそれだけでミス候補脱落して全員から
罵倒されて世間を歩けなくなる。誰にも知られるわけにはいかない。
控え室の前で隙を窺っているがじりじりと時間が迫ってくる。
どうしよう、と焦ってる所で目が覚めた。
多分寝る前に風呂で無駄毛処理したけど、
すね毛だけは「足出さないしいいか」と残してたせいだと思う。
現実ではいまだに自分の足はおっさんみたいな剛毛に占拠され続けてる。