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@喪女板
611 彼氏いない歴774年 sage 2012/06/27(水) 22:30:50.61 ID:Lix09HPO
幸運が過ぎて不幸を引き寄せる少女の妄想が止まらない
少女の名前はモコ
富豪の家に生まれた一人娘
モコを産み亡くなった母の面影を強く持ち、モコもまた病気がちな弱い体の持ち主であった
それゆえに父はお抱えの魔術師たちへ「モコに尽きる事のない幸福を与えること」を命ずる
まるでおとぎ話のお姫様のように、魔術師たちは思い思いの形であまりあるほどの加護を与えた
中でも、彼らの中で最も腕の立つ魔術師が与えた物は父に絶賛された
「この世の誰よりも幸運である事」
それが彼が彼女に与えた加護だった
くじを引けば大吉、「うっかり」躓いて転ぶなど不可能の域
賭けに挑めば必ず当たり、「嫌な予感」も必ず当たる
そして、彼女が望んだものはどんな形であれ「必ず手に入る」
たとえそれが、他人のものであろうとも、他人を傷つける事になろうとも
まるでおとぎ話のような幸運が次々と彼女の手の中に落ちてくる
そして少女はこの世のすべてを手に入れんとする傲慢・強欲な女に……
…ならなかった
612 彼氏いない歴774年 sage 2012/06/27(水) 22:33:38.86 ID:Lix09HPO
少女は絶望した
自分のせいで、自分の幸運ゆえに、誰かの懐から宝物を奪っていると気付いたために
自分の手の中にあるお気に入りのブローチだって、めぐりめぐって自分の元にやって
きたけれど、これはもしかしたらどこかの少女の宝物だったのではないか?
少女は絶望した
自分のせいで、自分の幸運ゆえに、誰かを不運な人間にしているのだと気付いたために
次第に少女は父の制止も聞かず部屋にこもるようになった
しかしそれも長くは続かなかった
「こうすれば、誰も不幸せにはならない…けれど、私、一人ではさみしい…」
まだまだ幼い少女には、自分に罰を課することなど到底無理な話だった
「誰か、私のともだちになってほしい」
そう、少女は願ってしまった
少女の願いは叶えられる なぜなら少女は幸運だから
部屋中に光があふれ、静かに消えた時、少女の前には一人の青年がいた
甲冑を着ている所を見ると騎士だろうか
「初めまして、私の主」
青年は穏やかに笑って、驚く少女に跪き、そっと小さな手を取った
少女は幸運のあまりに、彼を「引き寄せて」しまったのである
青年はかつて栄えた亡国の騎士であった、と言った
死してなお何度もこうやって何者かに召喚され、戦ってきたのだ、と
そして「さみしい」と嘆く少女に引き寄せられて、ここに来たのだ、と
彼もまた「さみしい」と思っていたのだ…と
「なら、私達、おんなじね」
「ええ、そうですね」
何百人・何千人を屠ってきた寂しがりの騎士と、
何百人・何千人を不運に追い込んだ幸せでひとりぼっちの少女
二人はこうして出会ったのだった
シドニアの騎士 8 (アフタヌーンKC)
青いスカートな金髪おにゃのこな騎士しか思い浮かばん…orz
それにしても続きはよ
私が書き込んだのかと…
まったく同じ事を考えた
そこでprototypeですよ!
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