人に言えないような恥ずかしい妄想をするスレ12
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@喪女板
105 1/3 sage 2012/02/13(月) 23:24:00.97 ID:Y0CzwvAT
失恋願望でもあるのかってくらい失恋妄想しまくってる。
男は頭が良い。良すぎて物事をドライに見つめ、合理的に割り切っている。
しかし感情がないというわけでもなく、毎日笑って怒って過ごすせば、
密かに大変な動物好きでもあるし、誰かを愛することもある。
ある時男が愛したのは、喪枝という少し冴えない女だった。
喪枝は最初、「好かれる理由もない」とまるで野生動物のように男を警戒していたが、
「愛している」と囁けば恥らうし、口付けをすれば受け入れた。
すると会うたび喪枝の冴えない面影は少しずつ薄れていき、
控えめだがどこか華のある容姿になった。
やがて体を重ねる夜も訪れ、男女は恋仲と呼べる関係になった。
男と喪枝の日々はまぁまぁ幸せだった。
喪枝の家は女にしては殺風景で、しかし二人でいればだらだらと笑って過ごせた。
動物好きな男の家はまるで動物園。
二人で九官鳥に言葉を教えたり、猫のシャンプーで水浸しになったり、
思い出は健やかに過ごす動物達の成長に刻まれていた。
ある時、男が別れを告げる。
喪枝は大変驚いたし悲しんだが、急な辞令で
海外転勤だという男の話は理路整然としていて、喪枝は納得せざるを得なかった。
男が喪枝を愛したのは、筋の通った話は素直に聞き入れる、こんな純粋さ聡明さがあったからだった。
今もそれは変わらないが、愛した喪枝に今までの生活を全て捨てさせ、
複雑な外国語を学ばせ慣れぬ海外生活を強いる。
果たしてそれが互いに幸せになれる道かと言えば、喪枝も男も首を捻ったのだ。
だから、仕方が無い。
106 2/3 sage 2012/02/13(月) 23:25:06.59 ID:Y0CzwvAT
喪枝は、せめて最後の愛情にと男の転勤の準備を甲斐甲斐しく手伝った。
特に大変だったのは、動物達への処置だ。
愛らしく世話も容易な小動物はすぐに里親が見つかったが、
老齢の猫は転勤直前まで里親が見つからずに冷や冷やしたものだ。
そして九官鳥である。
九官鳥もこれまた老齢で、その物珍しさが逆に飼い難いのではと里親を拒んだ。
仕方がなく、喪枝が引き取ることになった。
空港への見送りは、喪枝から断りを申し出た。
男もその方が良いと言ったし、未練を断ち切れない喪枝にとって、
男の姿は一刻も早く忘れたかった。
男は、家族や友人らに見送られて、日本を発った。
そこに喪枝の笑顔が並んでいれば、とふと思ったことは、この先誰にも話すことはないだろう。
――そろそろ飛行機が発っただろうか。
殺風景な部屋でぼんやりと過ごす休日は、男がいなかった頃と何も変わらないのに、
妙に寂しく物哀しい。かと言ってぼんやりしすぎていて、大泣きする気にもなれない。
テレビでもつけようかとようやくベッドから身を起こした喪枝の姿に反応し、
それまで大人しく眠っていた九官鳥が、快活に無邪気に嘴を開いた。
「アイシテルー」
107 3/3 sage 2012/02/13(月) 23:26:34.58 ID:Y0CzwvAT
喪枝がびくりと肩を揺らして、九官鳥の方を見つめる。
九官鳥はもう一度言った。
「アイシテルー」
――そういえば、二人で九官鳥に「愛してる」を教えたっけ。
男は九官鳥を愛しているというから、じゃあ二人で愛してるの言葉を教えようと、
まるで子供のように必死になって、鳥かごの前で愛してると繰り返したあの日。
そういえば、愛してると冴えない私に初めて言ってくれたのも男だった。
「アイシテルーアイシテルー」
応えない喪枝に、九官鳥が繰り返す。
生まれて始めての愛の言葉に恥じらう自分を面白がって、
耳を塞ごうとする両手を固く繋いで愛してるをしつこく繰り返していた男の
無邪気な笑顔を思い出した。
合理主義でドライで、頭が良くてなかなか人を寄せ付けないあの男は、
二人でいるときだけは恋する少年でいてくれた。
男のそんなところを、喪枝は確かに愛していた。
愛してる、と返せば、九官鳥は満足して大人しくなるのも知っている。
しかし喪枝の震える唇は、愛してるの言葉を紡げない。
「アイシテルー」
――言えないよ、仕方が無いでしょ。
知らずと喪枝の嗚咽が零れ始め、とうとうそんな瑣末な抗議すら叶わなくなる。
殺風景な部屋の孤独な女、孤独な九官鳥。
耐え切れず、嗚咽混じりに愛の言葉をようやく紡いでも、男の元にはもう届かない。
という長文にイメージソングまで考えるわたくし。人に言えない。
2012年02月16日
失恋妄想
posted by moge at 21:53
| Comment(17)
| 妄想
そしてもちろん泣いた
文章力の高いシリアスな文章の中にギャグっぽいカタコトが混じるとすごく間抜けに感じるのよ
その言葉にハッとして飛び出して行って
勢い余って車に轢かれるフラグ
にしかみえない
そして入院した喪枝の元へ元カレが駆け付け
最終的に寄りを戻すんですね、分かります
九官鳥「え、あの、僕のごはんは……?」
友人喪実「喪枝ったら本当に仕方ないんだから!あんたは私が世話してあげるわよ!」
と思ったけどまさかイメージソングも自作…?
気になる
深夜の30分ドラマみたいな
毎回違う脚本家でワンクールみたいな
こういう、派手だったり甘過ぎたりしない程度のでも確かな愛情を育んでいるっていう感じが良いよね
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