2011年10月05日

権力者の初恋

*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart22
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/801/1312363613/249
@801板

249 風と木の名無しさん sage 2011/09/08(木) 15:10:43.62 ID:DvQknNzb0
権力者の初恋


250 1/3 sage 2011/09/09(金) 05:05:31.80 ID:uqN8OlM/0
生まれながらに権力を約束されていた。
見目麗しく学問に秀でた、大国の王太子。
性格は冷酷というより酷薄。
人の心がない、非人間と陰で散々に言われていた。

手に入るものに興味はないから、欲しいものなど何もない。
かしずく者は疎ましい。治める民は愚かしい。
万人を平等に見下し、当然ながら恋愛とは無縁に日々を生きていた。
そんな王子も父王の退位を受けて王位に就くこととなり、各国から
慶賀の使者が続々と訪れる。


251 2/3 sage 2011/09/09(金) 06:12:09.81 ID:H8mZDKG70
若い新王は酒癖が悪く、 めでたいはずの酒宴で誰彼かまわず論戦を吹っかけた。
そこで使者の一人と、有名な詩人の作品を巡っ て議論を戦わせた。
議論に決着はつかなかったが、王は使者の才気を気に入り、手元にとどめ置くことにした。

使者はよき友になった。何といっても、まず聡 い 。
歳の離れた兄のように王を甘やかし、 時には愛 情深い父親のように非を叱った。
知らず渇いていたものを満たされて、王はたちまち夢中になった。
公務にも、饗応の席にも、狩りにも、寝室にさえ、公然と彼を伴った。
先王の忠臣たちは眉をひそめたが、王に諫言を 聞く耳はなかった 。

ところが使者は偽者だった。
監禁されていた本物の使者が逃げ出し、そこから偽使者の素性が知れた。
彼は、王を暗殺するために送り込まれた市井の男だった。


252 3/3 sage 2011/09/09(金) 06:38:00.79 ID:QfZJ8+b/0
王が経緯を質そうと男のもとへ踏み込むと、男は自らのどを掻き切り息絶えていた。
物言わぬ遺骸の傍らに、遺書が一通残されてい た。

男が、先王の時代に滅ぼされた小国の生き残りであったこと。
親族を失い、故国の復讐を企てる集団によって育てられたこと。
王の命を奪うべくこの国に送り込まれたこと。
こうして私人としての王に接し、王が詩を愛する心をもつ人間であることを知り
本来の目的を果たせなくなった今、死んで詫びるより他に道はないと綴られていた。
共に過ごした思い出、感謝の言葉とともに、赦されなくてもいい、ただ幸せだったと
結ばれていた。

王が人間らしく取り乱したのは、後にも先にもその時限りだった。
王は男の亡骸と詩集を棺に入れ、国を挙げて大々的な葬儀を執り行った。
それからは身を慎んで国を治め、死ぬまで詩を口遊むことはなかった。
最初で最後の恋だった。


posted by moge at 23:13 | Comment(16) | 801


この記事へのコメント
  1. 泣いた。
    Posted by at 2011年10月05日 23:22
  2. 書き込もうと思ったまったくおんなじ言葉が※1にあった
    泣いた。
    Posted by at 2011年10月05日 23:36
  3. ホロリ…
    Posted by at 2011年10月06日 00:44
  4. あれ、画面が歪んでるよ?
    Posted by at 2011年10月06日 00:45
  5. おおなんてこった・・・
    Posted by at 2011年10月06日 01:44
  6. あっれおかしいな…買ったばかりの液晶がぐちゃぐちゃなんだが…
    誰かフラグ分岐で愛の逃避行させてあげてください
    Posted by at 2011年10月06日 01:47
  7. ぶああああああ
    Posted by at 2011年10月06日 02:17
  8. 泣いた
    Posted by at 2011年10月06日 06:44
  9. 良い
    Posted by at 2011年10月06日 08:18
  10. どストライクなシチュだけに、悲恋というのが切ない
    Posted by at 2011年10月06日 10:00
  11. ※6に諸手挙げて賛成
     自害前の逃避行でも良いし、
     偽使者と知りつつ傍に置くパターンでもいい
     周りへの体裁を保つフリして一旦監禁ルートでも良い
    Posted by at 2011年10月06日 10:03
  12. なんだこれ好きすぎる…
    Posted by at 2011年10月06日 11:49
  13. 雲のように風のようにが浮かんだ
    Posted by at 2011年10月06日 13:51
  14. ないた
    淡々とした飾り気のない文体が余計にクるわ…
    Posted by at 2011年10月07日 01:35
  15. 泣いた
    悲恋含めてどストライクすぎる
    Posted by at 2011年10月07日 10:45
  16. おいおい……泣けるじゃあねぇか
    Posted by at 2011年10月07日 13:37
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