ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/wmotenai/1289739109/
@喪女板
676 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 13:52:38.51 ID:Y5cdxMtC
ムックは年に一度、必ず決まった日に雪山に帰る。
「ちょっと、会いたい人が居るだけ…ですぞ」
ガチャが理由を聞いても、少し悲しげに目をプラプラさせて
そう答えるだけだった。
最近、喪子という女性を巡ってギクシャクしてたこともあり、
ガチャの心にいたずら心が生まれた。
ガチャは初めてムックの後を付け、
「ムックの会いたい人」を見に行く事にした。
677 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 14:08:21.77 ID:Y5cdxMtC
(なんだムックのヤツ、黄色い花束なんか買って、
喪子ちゃんの事が好きだって言ってたくせに!
…あ!出てきた!)
花屋の日除けにプロペラを引っ掛けながらヨタヨタと出てくるムックを見て
ガチャは慌てて電信柱の影に身を隠した。
「ユキちゃん…今年も喜んでくれるですかな」
花束を抱え、そうつぶやくムック。
怒りに身を震わせるガチャ。
(バラしてやる!喪子ちゃんにも、ユキちゃんっていう子にも!
ムックがこんな浮気性なヤツなんだって!)
678 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 14:19:09.57 ID:Y5cdxMtC
北国へと向かう列車の中、ガチャはその鋭い目つきをサングラスで隠しながら、
ひと時もムックから目を離さなかった。
「ユキちゃん…、今年は特別に伝えたい事があるんですぞ」
花束を座席には置かず、大切そうに抱えながらムックはつぶやいた。
(ムックのヤツ!告白する気だ!)
ゴトンと列車が揺れるたび、ムックの目もプルンと揺れた。
やがて列車は長いトンネルを抜ける。そこは一面が白く覆われた雪国だった。
679 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 14:26:48.61 ID:ifhCqsGG
むっくるむっくる
680 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 14:33:25.22 ID:Y5cdxMtC
轟々と打ち付ける吹雪の中、ムックは力強く山頂へと足を進めた。
身体能力の高いガチャも、吹雪の中ではその力を発揮出来なかった。
ガチャは朦朧とする意識の中、遠くに見える赤い点だけを目指して歩いた。
(喪子ちゃんの為にも負けるもんか…、
あんな浮気性なヤツに、君は渡さない!)
しかし気持ちとは裏腹に、凍える身体は言うことを聞かない。
「うわああぁぁぁぁ!」
斜面から足を踏み外したガチャは、鋭角にそそり立つ雪山を滑り落ちて行った。
681 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 14:40:47.83 ID:Y5cdxMtC
ガチャが目を覚ますと、吹雪は去り、澄み渡った夕焼け空だけが目に映った。
「ユキちゃん…、今年は特別な報告があるんですぞ…」
ガチャが上半身を起こし、声のする方を見ると、
ムックが花束持ち、優しげに語りかけている姿が見えた。
話しかけている相手は…
石を積み上げたお墓だった。
682 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 14:49:26.74 ID:Y5cdxMtC
ムックは優しい手つきでお墓に積もった雪を落とし、花束を添えた。
「ユキちゃん…、私が街に降りてから、もうずいぶん経ちましたな。
…けれど、私は幼なじみの貴女を思い出さなかった日など
一日とてありはしませんでしたぞ。」
ガチャはムックのあまりに優しげで厳粛な雰囲気に息を潜めた。
「街での暮らしは大変ですが、そんな時は
いつも貴方の笑顔を思い浮かべて頑張ってこれたのです…ぞ。
ありがとうですぞ、ユキちゃん」
683 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 15:03:11.59 ID:Y5cdxMtC
「特別な報告のことなのですが…
実は、結婚を申し込みたい女性ができたのです、ぞ。
名前は、喪子さん…少し不器用でおとなしい女性なのですが、
がんばり屋さんで、笑顔が可愛くて、
一生守ってさし上げたい、と強く感じたのです、ぞ。」
今まで見た事がないムックの真剣な眼差しに、
ガチャは心の奥が痛むような気がした。
「…けど、お恥ずかしい話、幼なじみである貴女が、温暖化で弱るなか、
なにひとつ力に慣れなかったこんな私が、喪子さんをお守りすることなんて
出来るのか…とても不安な気持ちにもなるのです…」
「出来るよ!!!」
ガチャは思わず叫んでいた。
684 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 15:10:48.77 ID:Y5cdxMtC
「ムックになら喪子ちゃんを守っていく事が出来るよ!!!
だって…ムックはこんなにも人を思いやる事が出来るじゃないか!!!」
「ガガガガガガチャピン!?気が付かれたのですか!?
良かった〜、本当に良かったですぞ〜!
急に叫び声が聞こえて振り返ったらガチャピンが滑っていくのが見えて
本当にびっくりしましたぞ〜。」
その顔には、ガチャピンが無事だったことへの安堵がはっきりと映っていた。
685 名前:彼氏いない歴774年[sage] 投稿日:2011/03/09(水) 15:24:13.18 ID:Y5cdxMtC
帰りの電車の中、ガチャピンとムックは隣同士に座っていた。
「ムック、喪子ちゃんへのプロポーズ、頑張ってね。」
ガチャは疲労の色濃い顔で呟いた。
「でででででも、ガチャピンも喪子さんが好きなのでは!?」
ムックが目をプラプラさせる。
「喪子ちゃんは好きだけど、ムックの気持ちには敵わないもん」
山の向こうに沈む夕日を見ながら、ガチャピンは少しだけ淋しそうに答えた。
徐々に建物が増え、二人はこの小さな旅の終わりを感じていた。
おわり
------------------------
後日談
ムックは喪子に振られた。
KUBRICK ガチャピン&ムック 2PACK
ムックさんは卑猥なお人やでぇ
もしくはガチャ×ムッで続きを〜〜。
途中まで本気で泣きかけてたのにいいいいいいいい
ガチャムクは至高
ガチャムク見てみたいわあ
ゴールデンボンバーェ…
ラストで泣けます!
\(.\ ノ
※seesaaが重い時は反映されるまで時間がかかります。