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@801板
589 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2010/09/10(金) 17:40:34 ID:of/Lw84yO
支配する、支配される
590 名前:風と木の名無しさん[sage] 投稿日:2010/09/11(土) 17:13:36 ID:bdGMq83Y0
ベタベタなお約束で恐縮です。
SSというより萌え語り的に受け取ってもらえるとありがたい。
毎度のことだが、「あれ」に支配された体は俺の意志で動かすことができない。
「敵」は結局のところあれの種族の敵なのだが、人間に危害を加えるとなれば
俺にとっても敵なのだろう。
「あれ」は俺と物理的に一心同体。
いつかは元に戻れると信じているが、それまでにいったい何度、こんな目にあうのか。
あれは元来「敵」と戦うのが仕事らしい。それを今でも俺の体でやっているのは
非常に迷惑なことだ。
(オオッ!)
頭すれすれをかすめた敵の攻撃によろめいた……のは、俺の気持ちだけ。
実際の体は奴の意のままにあり得ない高さに飛び上がり、そのまま反撃を叩き込んでいる。
「ダメージはない、黙っていてくれ」
俺の右足を敵の頭にめり込ませながら、こともなげにあれが言う。
(びっくりしただけだよ! わかってるよ、もう終わったって言うんだろ?)
あれは、こと戦うことに関しちゃ文句なしにエキスパートだから、そこは信用している。
(さあ、帰ろうぜ、晩ご飯には間に合いそうだ)
敵は頭部を砕かれて倒れている。
俺は伸びをした……気持ち的に、ということだが。
「いや、まだだ……本体が、抜けている」
緊張した奴の声。本体?
横たわる体の、背中がごっそりえぐれている。
何かが抜けて、どこか行った。
どこへ? 言うまでもなく、この廃工場を出て、街へ。
591 名前:2/2[sage] 投稿日:2010/09/11(土) 17:15:19 ID:bdGMq83Y0
(……おい、まさかあいつも人間にとりつくんじゃないだろうな?)
「私ができたことだ、当然実行するだろう。
上手くいかなくても宿主が死ぬだけで養分補給になる」
そのあっさりした口調にカッとなった。基本的に敵もあれも人と相容れない。
エネルギー源、障害物、野生動物……おそらくそんなふうに見ているのだろう。
見過ごすわけにはいかない。
(早く! 何してるんだよ、倒しに行くぞ、早く、行けよ!)
「見つける手段はない、人間に接触して騒ぎが起きるのを待つ」
こいつは……お前らに巻き込まれる人間なんか
俺一人でたくさんなんだと、なぜわからん。
(バカ、それじゃ遅いって! なんかあるだろ、方法!
とにかく他の人より先に見つけろ、お前ならできる)
「無理だ、非能率的だ」
(言うこと聞けよこの野郎……)
早急にこの論戦に勝たねばならない。が、勝機は十分にあった。
この数ヶ月、こいつに振り回され続けた俺は
ようやく奴のウィークポイントを見つけたのだ。
魔法の言葉、これさえあれば、奴を支配できる。
(今日の夕飯は手巻き寿司だ、あれは難しいぞ? わからんだろう……食べ方が。
教えてやるから、代わりに俺の言うことを聞け)
向こうには調理という概念がないという。
どうもずいぶんと合理的かつ味気ない栄養補給手段らしい。
色とりどり、種類も味もさまざまな「料理」に、あれはハマった。
(──美味いものを、食いたくないか?)
この時ばかりはあれが珍しくうろたえて、やがて誘惑に負ける。
「……仕方がない、君の要求に従う。まったく面倒なものだな、人間とは」
生意気にも奴は肩をすくめてみせた。
勝手に使うな、俺の肩だ。
寄生獣(完全版)(1) (アフタヌーンKCDX (1664))
そしてどこで全巻購入できるのか、速やかに私に教えなさい、さあ早く!!!
おい憑依されてんぞ!
ワロタw
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