2010年09月12日

魔王×勇者

*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart15
@801板

59 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2009/01/31(土) 10:42:35 ID:H8UTDub00
魔王×勇者


60 名前: 1/2 [sage] 投稿日: 2009/01/31(土) 15:55:51 ID:vSIM3jEO0
人間も魔物も共存している世界。
祖父が偉大な勇者である少年は自分も勇者になることを夢見ていた。

平和な今の世の中に勇者は必要なく、
叶わぬ夢という事も成長するに従って理解していく。
小さな頃は口を開けば「勇者になる」と言っていたがそれもなくなった。

その頃少年に親友ができる。
それは人間ではなく魔物の子どもだった。

どんな種類の魔物かはわからなかったが少年は気にしなかった。
頭が良くて魔法も使え剣の腕も立つ。何より一緒にいて楽しい。
少年はそんな魔物の子どもが大好きだった。

いつも2人で森や洞窟を探索しては、いつか2人で冒険に出たいと話していた。

新しく出来た夢によって少年は勇者になるという夢も諦める。
もし少年が勇者になればそれは人間と魔物が対立する世界になるということだから。

「俺、小さい頃は勇者になりたかったんだ。じいちゃんみたいな」

ある日少年は魔物の子どもにそう告白する。
それはもう過去の事で思い出話のつもりだった。

「君ならなれるよ」

でも魔物の子どもの反応は違っていた。
その夢を話して笑われなかったことは初めてで少年は驚く。
同時にやっぱり魔物の子どもはいい奴だと実感する。

「もう昔の話だ。今の世界には勇者なんて必要ないから。やっぱり平和が一番だよ」

そう言ってこの話は終りにしたつもりだった。
翌日も一緒に遊ぼうと思っていたがいつまで待っても魔物の子どもは現れない。
少年は次の日もそのまた次の日も待ち続けたが、いつまで経っても親友は姿を見せなかった。


61 名前: 2/2 [sage] 投稿日: 2009/01/31(土) 15:56:41 ID:vSIM3jEO0
その頃凶暴化した魔物に襲われたという事件が多発する。
壊滅させられた国もあると噂で聞く。
少年の村に住んでいた魔物も気がつけば姿が見えなくなっていた。
次第にそれが魔王の仕業だということが判明する。
各国で魔王討伐隊が結成されるが魔王を倒したという話は聞かず、
代わりに魔王による悪行の話ばかりが増えていく。
少年も魔王討伐の旅に出る事が決まる。
親友を捜す事ができるかもしれないという希望を抱いていた。
少年の国にも討伐隊は結成されていたがそれには属さず一人きりで旅を続ける。
立ち寄る村や町では必ず魔物が現れ少年はそれを退治した。
そんなことを繰り返しているといつしか勇者と呼ばれるようになる。
子どもの頃の夢が叶ったにも関わらず少年は少しも嬉しさを感じなかった。
親友については見つけるどころか少しの情報すら得られなかった。
すべての原因が魔王にあるなら自分が倒せば彼も姿を見せるはず。
いつしかそのように考えるようになっていた。

数年掛けて勇者は魔王のもとに辿り着く。
少年は精悍な青年へすっかり成長していた。
魔王は勇者が今まで見て来た中で最も恐ろしい姿をした魔物だった。

苦戦しながらも何とか倒す事に成功する。
倒れた魔王の身体が光ったかと思うと、そこには親友が倒れていた。
自分と同様に身体は成長していたが勇者にはすぐにわかった。
剣を放り投げ、身体を抱き起こす。

「どうして、お前が……」
「君の夢を、叶えたかったんだ」
「俺の夢?」
「僕を倒せば、本物の勇者に……」

その言葉に勇者は子どもの頃に話した過去の夢を思い出す。

「バカだな、お前。俺の夢は、お前と一緒に世界中を旅する事だ。
 いつも2人で話していただろ」

魔物は困ったような笑顔を浮かべ、勇者に向かって手を伸ばした。
その指先が触れる前に砂に姿を変え、さらさらと流れ落ちた。


posted by moge at 01:05 | Comment(20) | 801


この記事へのコメント
  1. うわあああ……わっふるわっふる
    Posted by at 2010年09月12日 01:20
  2. 孫「じいちゃん。いつもその小瓶を大事に抱えてるけど、中身は何なの? 魔法の砂? それとも、伝説の剣の残骸?」
    じじい「いや、これは紛れもない、何の変哲もない正真正銘ただの砂よ」
    孫「ふーん、変なの。じいちゃんならもっと大事なものいっぱい持ってるじゃん。空飛ぶ絨毯とか、竜巻を起こす杖とか」
    じじい「はっは!そんなもの、ただのモノよ。形あるものはいつか滅びる。じいちゃんのこの小瓶はな、じいちゃんが死ぬまで、いや死んだ後も決して滅びる事はない大事なもんが詰まってんのよ」
    孫「へー、それってやっぱ魔法の類?」
    じじい「魔法でも科学でも技術でもねーよ。ま、果たせなかった約束を形を変えて情けないながら果たしてるって感じかな?」
    ???「あのぅ・・・」
    じじい「お? 孫、その羽根つきの綺麗なお嬢ちゃんは誰だい。隅におけねーなお前も」
    孫「川で溺れてたら助けてくれたんだ。肌の色がへんちくりんだけど、いい奴だぜ」
    女「・・・・・・どうも」
    じじい「・・・・・・そうか。そういうことか。なあお二人さん。これからつらい現実もあるだろ。二人が手に手を取り合って行けなくなる事態が来るやも知れん。けどな、俺ぐらいの歳になりゃあ残るもんはこの砂の詰まった小瓶ぐらいのもんだ。決して焦るな。自分の生きたい様に生きろ。それが、多分最良の選択なんだろうなぁ」
    孫「突然なんだよ。わけわかんねーなこのモーロクジジーは」

    ここまで受信した。長文スマ
    Posted by at 2010年09月12日 01:52
  3. 泣いた赤鬼を思い出して泣いた。
    Posted by at 2010年09月12日 01:57
  4. 米2
    受信しすぎwww
    でもちょっと泣いた
    Posted by at 2010年09月12日 02:03
  5. 普通にいい話だけど辛い
    生存ルート読みたいな…
    Posted by at 2010年09月12日 02:05
  6. いい話なんだけどよくよく考えたら、勇者の夢を叶えるためだけにどんだけの犠牲を払ってるんだよ魔王は
    Posted by at 2010年09月12日 02:10
  7. 魔物と人間の価値観の違いじゃないかな

    どんな犠牲を払っても魔王には勇者の願いを叶えられればそれだけでよかった
    好きな人間は勇者だけだったんじゃ?
    願いを叶えるために払う人の犠牲を魔王は気にしなかった
    種族違いだからそんな感じもアリかなって思った
    Posted by at 2010年09月12日 03:37
  8. 魔王はもう勇者に殺されて償ったから、後は事の起こりである自分だって
    その場で後を追うのかと思った

    魔王みたいに砂にはなれないから、誰かが死体を祀って勇者伝説とかが作られて次の世代に云々
    Posted by at 2010年09月12日 05:08
  9. 不覚にも目から汁出た
    Posted by 不覚にも泣いた at 2010年09月12日 07:14
  10. ※2
    素晴らしい
    Posted by at 2010年09月12日 10:11
  11. それから勇者は親友を蘇らせる方法を見つける旅に出るんだよね?
    そうだよね?
    Posted by at 2010年09月12日 10:17
  12. あ、これ私が9取ったやつだー
    改めて素晴らしい話をありがとうございました。
    Posted by at 2010年09月12日 17:06
  13. ああ、好きだなあこういうの
    Posted by at 2010年09月12日 17:37
  14. ※7
    納得した
    Posted by at 2010年09月12日 20:33
  15. ※7 私もそう思う

    ※8 その落ちだとスッキリするね。あの世で2人幸せになれ
    Posted by at 2010年09月13日 02:05
  16. 「自分が原因=なら魔王は自分だ」
    そして魔王化する元勇者、の展開も好きだ。
    Posted by at 2010年09月13日 05:34
  17. 勇者の涙が砂に零れて、魔王が人間として生まれ変わるお決まりのパターンで補完した(涙)
    Posted by at 2010年09月13日 20:23
  18. ※17
    そして、「二人で贖罪の旅に出よう」エンドですよね
    Posted by at 2010年09月14日 09:00
  19. 周りに迷惑掛けながらイチャイチャするバカップルにしか見えない
    Posted by at 2010年09月15日 14:33
  20. さてゲーム化するか
    Posted by at 2010年09月16日 10:16
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