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@801板
329 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2010/07/23(金) 23:23:46 ID:lfZfQxN4O
噂の二人
330 名前: 1/2 [sage] 投稿日: 2010/07/24(土) 00:34:05 ID:+X5iOf/2O
あいつらは犬猿の仲だ。
そう囁かれる二人のことを、田中はよく知っていた。
この小中一貫校で、彼らのことを知らないクラスメイトはいない。
尤も、九年の間、クラス編成は行われないのだから、知らない者が
居るわけがないのだが。
だが、幼稚園から二人と一緒の田中は、
彼らを他の連中よりも、はるかに熟知していた。
幼馴染と呼ばれる間柄で、家族ぐるみの付き合いもないわけではない。
だから、他のクラスメイトなんかと一緒にされては困る。
田中は誰よりも二人のことをよく知っている。
山田は派手な外見のお調子者で、いつでも馬鹿騒ぎをしている。
だがしかしクラスメイトの人望も厚く、その騒々しさによって
クラスが良好な雰囲気に保たれていることもまた事実であった。
そして佐藤。
彼は頭はいいが、少し面白みがない。
頭が固く、少しのルールも、改竄することは許さなかった。
それは掃除だろうが日直だろうが同じだ。
こうと決まったルールは、決して崩すことなくその任務を全うした。
その所為かクラスに溶け込めてないとでも言うのだろうか、とにかく佐藤は、
少々浮いた存在だった。
そんな事情から、対極に立つ二人が、
仲良くお手々繋いでお友達になれるわけなど、なかった。
佐藤は山田が嫌いだ。
山田もまた然り。
この関係は、わざわざ説明するまでもなだろう。
だが、根底ではこの二人はよく似ていると、田中は知っている。
まず、交互に田中の家にやってくる。
互いのスケジュールを綿密に調べ、その結果、
相手が田中の家に来ないと知るとやってくる。
が、その偵察も失敗することがあるらしく、そんな日は観念したように
二人そっぽを向いて田中の自室に居座った。
今日は「失敗」したらしい。
331 名前: 2/2 [sage] 投稿日: 2010/07/24(土) 00:37:29 ID:+X5iOf/2O
「おい、仲良くしろよ。週の初めから気分悪ぃ」
田中はコンビニで買った週刊誌を読みながら、言った。
二人は互いの視線を合わせることなく、田中の自室に座り込んでいた。
「おいってば。仲良くしろって」
『だってこいつが……!』
二人揃って同じ言葉を発する。と同時に、
互いに口をつぐみ、プイと視線を逸らす。
まったくよく似ているものだと思う。
田中はにやりと笑うと、二人に背を向けた。
この二人はよく似ている。
何故この家に来るのか、田中はよく知っていた。
小さな頃から”犬猿の仲”とレッテルを貼られてしまった対極に立つ二人。
互いにプライド高く、周囲が持ったイメージを完璧に演じなければ気がすまない、
素直ではない二人。
山田が派手顔に似合わず本当は人見知りなのも、佐藤にも本当は自堕落な部分が
多々あることも、幼稚園から二人と一緒の田中はよく知っていた。
そして、人の要望に忠実に応えるその律儀な性格も。
頭のいい佐藤は、先生たちの期待に応える生徒を。
クラスメイトのまとめ役は山田が。
案外この二人の存在で、クラスは上手い具合にいっているのだ。
「ちょっと俺、彼女のところに行ってくるわ」
『なんで!?』
二人の質問には答えることなく、田中は財布と自転車の鍵を持つと部屋を出た。
「別に。いってきま〜す」
にやりと笑って扉を閉じた。
あいつらは犬猿の仲だ。
そう囁かれる二人のことを、田中はよく知っていた。
だが、二人が同じ時間を共有する小さな可能性を求めて、
わざわざ毎日田中の家にやってくることもまた、よく知っていたのだった。
だが
山田 → 田中 ← 佐藤
という可能性はないのか? 田中よ、それでいいのか?www
山田と佐藤は田中の勘違いを解くために一時的に協力とかしだす展開になると全私が萌ゆる
最後はさんにんでやっちゃえばい(ry
「佐藤と・・・、あ、いや3人で食べよう」みたいな感じで
田中家にいけばいいと思う。
おお心の友よ
私とともだちになってください
総受け好きかがばれちゃう
もちろん、展開も!
※seesaaが重い時は反映されるまで時間がかかります。