うどん板から来ました
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@801板
519 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2010/01/19(火) 21:41:20 ID:CCCkUGMF0
煮込みうどんの季節ですね。
おまえは尾張の血を引いているんだよ…
そう言われながら東京で育って来た味噌煮込みうどん。
「濃いめの豚汁で煮込まれた俺は誰よりも熱いうどんだ」そう思っていた。
ある日、自分のルーツである地をこの目で見ようと、味噌煮込みうどんは尾張へと向かう。
そこにいたものは…
白く、平たく、かつおだしの香り高いミステリアスなきしめん。
そして、自分よりも遥かに無骨で熱い、本場の味噌煮込みうどんだった。
誰よりも熱く無骨だと思っていた東京味噌煮込みうどんにとって、それは衝撃だった。
どろりとした濃い汁にまみれた尾張の味噌煮込みうどんは、あまりにもコシが強く、熱かった。
個性というよりアクに近い。人を選びそうな容姿、そして、味。
尾張の味噌煮込みは、生めんから煮込まれるのだ。
それによって白かった肌に味がしみ込み、濃い汁はより濃くなり、とろみを帯びてくる。
そして冬場でも冷めない、無骨な味噌煮込みになるのだ。
土鍋の中、低い声を押し殺して煮込まれる尾張の味噌煮込みうどん。
土鍋の蓋に、そして白飯の上に濃い汁をこぼしながら、褐色の肌をさらけ出される。
東京味噌煮込みうどんは戸惑っていた。と同時に、得体の知れない感情がこみ上げてくる。
その背中に声をかける者がいた。
「やあ、東京の人かい」
きしめんだった。
戸惑う東京味噌煮込みうどんに、優しげだが含みのある笑顔を向ける。
そして東京味噌煮込みうどんの視線の先を追い、こう呟いた。
「僕も時々、ああして煮込まれるんだ」
東京味噌煮込みうどんの喉が、ごくりと鳴った。
2010年03月30日
煮込みうどん
posted by moge at 23:28
| Comment(23)
| 801
うどんのやつで一番いやらしいかもしれない。
エロさもありつつうまそうw
相変わらずクオリティ高い
ついでにお腹も…
東京のはずれに住んでるけど知らなかった
八丁味噌煮込みうどんとほうとううまいです
ほうとうも絡ませてほしい
いや本当素晴らしい
この人の普通の小説が読みたい
このお題でこれなら…ゴクリ
きしめん食べたいよぅ
細かいことはいいじゃないか
とりあえずコシはあるんだ
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