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@喪女板
305 名前: 彼氏いない歴774年 [sage] 投稿日: 2010/03/17(水) 00:22:55 ID:ZosBW38R
「EXILEはなぜあんなに人がいるのか」を考えていたらこうなった
めちゃめちゃ長文注意
喪子はEXILEのライブへ向かう途中、子犬を助けようとして車にはねられる
だったはずが、気づけば自分は電車の中。交通事故などなかったことになっていた
(なんだかよく分からないけど、子犬の安否だけは確かめないと)
喪子は首をかしげながら事故現場だったはずの場所に舞い戻る
そこで思わず目を見張った
そこには、今正に子犬を助けんと飛び出す自分自身が何十人といたのだ
よく見渡せばそれ以外も周囲は支離滅裂だった
(なにこれ。みんな事故に気づかない素振りだし、同じ顔ばかりだし、
チケットの写真のEXILEはダンサーが倍になってるし……)
「どうなってんの……?」
「説明しましょう。
とりかえしがつかなくなる前に、あなたの助けが必要なんです」
呆然とする喪子へ声をかけたのは、何人目かの自分に助けられた子犬だった
―――全ての未来が枝分かれして、僅かにずれながら存在する多重平行宇宙。
本来ならそれらは不可侵。
けれど今、何者かの「干渉者」の手により全ての宇宙がひとつに戻されつつあるのだ。
自分たちの宇宙はそれを観測できたものの、妨害が激しくこの子犬の口を借りるく
らいしかできない。そこで、なぜかこの事態に気づけている喪子に「干渉者」の元へ
連れて行ってほしい……。
子犬の話は、信じられない言葉のオンパレードだ
「可能性?未来?多重平行宇宙?」
「はい。例えば、列を成して飛び出していく貴方達は、あなたが選ばなかった未来の可能性。
取捨選択されたifの分だけ、平行宇宙は存在するのです」
「え、EXILEは?EXILEが増えたのは!?」
「彼らが増えたように見えるのは、
干渉者により選択肢そのものが消されたため未来が定まらないからです。
彼らはEXILEでありEXILEでない。平行世界の全てのEXILEの可能性が重なっているだけ。
今の宇宙は、可能性ばかりが膨張するだけの非常に不安定な状態だ」
「いや、でもこんな世界にしてもメリットないよ」
「干渉者の目的はその先にあります。
『全てをリセットし、自分の思うとうりに過去も未来もすりかえること』。
…………でも今ならこの状態が逆手に取れる。
干渉者より先に運命を誘導できれば……
たったひとつでいい、干渉者の未来を元に戻せば、世界はいつもに戻れるんだ」
子犬はしゃがむ喪子の顔を見つめ、掌に熱い前足を重ねた
「運命は全ての人間の取捨選択の積み重ね。そこにはたくさんの覚悟と決意があります。
全てを託した一度きりの決断だから、不可侵なんです。神にだっていじれない。
ましてや、たったひとりのワガママで、覆していいものじゃないはずだ。
……お願いします。今だけは僕を信じてください。
お願いします、お願いします、僕を連れて行ってください……!」
荒唐無稽ではあったが、喪子は子犬の懇願に真実を感じた。
「できることがあるなら、するけど……。干渉者の居場所なんて、分からないよ?」
「大丈夫、貴方の因果が指し示しています。
貴方が何故かずっと、気にせずにはいられなかったところです」
子犬が示したのは喪子の手元。
増え続けたEXILEの写真の下で、ライブ会場が武道館に変更されていた。
306 名前: 彼氏いない歴774年 [sage] 投稿日: 2010/03/17(水) 00:24:00 ID:ZosBW38R
>>305の続き
二人が移動している間もEXILEは増え続けていく
武道館へついた頃には、チケットの中のEXILEはイナバ物置のようになっていた
開演時間なのに誰も客がいないアリーナ席。そのかわりに、ステージで一人佇む人影
「干渉、者……!」
「ようこそ。この無限の宇宙で私と運命を同じくする、ただひとりの私」
そこにはEXILEの主要メンバーになる未来を辿った、リア充の自分自身がいた
「部外者は誰もこれないようにしていたのに、まさか同位体があったなんてね。
でもあなたなら分かるでしょ?
車に潰される瞬間は痛かったね。
たくさんの希望が消えたと悟ったときは悔しくて涙が出た。
思ったはずよ、やり直せたらって。
とめないでよ。私、このライブに命かけてんの。
邪魔するものは運命だろうと拒絶しぬく」
「喪子、ダメだ!ライブを始められたら、もう運命を戻せない!」
復活する照明とバックバンド。喪子はステージへと走り出した
「やだ。まだ、分からないの?
私の運命が助かったから、あなたの運命も軌道修正された。
もしずれがなおされれば、私だけじゃない……
あなたも死体に戻るのよ!!」
愕然とする喪子の隙を突き、鳴り響く発砲音。
ステージの自分が向ける銃口の先を辿れば、
スローモーションのように血を吹き出して子犬が倒れ伏す瞬間だった
「あはははは!!これで誰も止められない!」
勝利宣言の代わりとして、ライブの最後のように客席へ天高く銃が弧を描く
衝撃の覚めない掌でマイクを握り締め彼女は叫んだ
「運命はすりかわる!私は近道をしなかった。あなたは子犬を見殺しにした!
そして私はここへ戻るの!そのためなら何でもできる!」
声に呼応してぶれて重なる世界。
開け放たれた扉からなだれ込み無限に増えていく平行世界のEXILE
彼らの波で、喪子はステージへ近づくことすらできない
(どうしよう)
EXILEの波の遥か向こうで、もうひとりが勝利の笑みで再びマイクへ口を近づけていく
(どうしよう……!)
足元で光る、EXILEに蹴られた銃身
「みんなー!きょ」
その瞬間、喪子は銃を拾い上げ自らの胸をぶち抜いた
EXILEは音もなく消えうせ、二人の喪子は事故現場にいた
ぶれていた人影も跡形もない。世界は元に戻ったのだ
二人の喪子は交通事故の傷を抱え吐血しながら相対する
「なぜ」
「……私とあなたは同じ運命で……
しかもあなたの未来をひとつでも戻せば、世界も戻るん、でしょ……」
「バカじゃないの?偽善と心中するつもり?!」
「違うよ……ただ、あなたと同じ。ワガママだっただけ
……迷って、迷って、一番最後にあなたの言葉、思い出したの。
すりかわったあと、私が辿る私の生きている未来」
喪子は一瞬目をふせ、その後射抜くように自分自身をみつめた
「子犬を見殺しにした世界で生かされる位なら、このまま死んだほうが遙かにマシ」
もうひとりの喪子が驚愕の表情で罵倒しながら消えいくのと同時に、喪子は地面に倒れる
脳はもう痛みを感じない
手から滑り落ちたEXILEのライブチケットは、ダンサーの数が減っていた。
いつもどうりのEXILEだ
周りの雑踏が戻ってきた。車の止まる音、足音、たくさんの音が喪子の外で渦巻いている
それとともにかすかに喪子の耳へ届く、元気そうな子犬の鳴き声。
喪子は思わず嬉しくなると、微笑みながらゆっくり目を閉じた
どうしてこうなった
パラレルワールド―11次元の宇宙から超空間へ
じゃないとあの人数って
それはこっちの台詞だ
我慢してたのにこのフレーズで笑ってしまった
あぁ、重なってるからか…と納得しかけた。
イナバ物置は卑怯だw
気づいてしまったようだな…
まだこの話が終わっていないことを
イナバ物置は爆笑してしまったw
いつもどうり…
しかしイナバ物置は卑怯だろw
シッ!
しかしものすごい才能だ
でしんだ
何でだろう…感動する話なのに笑っている自分がいる…。
EXILEであってEXILEではない にゲシュタルト崩壊しかけたけど上には上があった……
よく偽善偽善と言う奴がいるけど、自分が本心から思ってたりしねるまでなったら普通に善じゃねーの
あ、ごめん、EXILEの話だったっけ
とにかく素晴らしい発想に感動&爆笑。
「善でも悪でも最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない!!」ってブラボーも言ってた
誰か奇跡的に一命を取り留めて子犬と暮らす喪子ちゃんを観測してあげて……
イナバ物置の威力はすげえwwwwww
しんのすけが何とかしてくれるはず!
この設定の中、イナバ物置は確かに異彩を放ってるなww
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