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@801板
169 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2010/01/13(水) 01:02:48 ID:jfXvf3Ah0
破滅に向かう友人を止めようとする男
170 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2010/01/13(水) 01:59:17 ID:vmXTq+F20
間に合え、間に合え、間に合え!!
どうして携帯を買い換えたのがつい2日前なんだろう!
マナーモードの故障なんかほっとけばよかった。
なれない機種に、たかが電話をかけるだけなのに妙にもたつく。
いつもよりも2倍くらい時間をかけて、あいつの携帯に電話をした。
間に合え、電話に出てくれ
心臓がバクバクと、音が聞こえそうなくらい激しく脈打つ。
普段、手に汗をかくどころか、体温が低すぎて汗が出なくて
困ってるくらいなのに、携帯を握る手が湿っている。
二三度のコールの後、いつもの明るい調子とは打って変わった、
重く沈んだあいつの声が聞こえた。
「…何だ、お前か。」
よかった、出た。
まだあいつを止められたわけじゃないのに、
少しだけ希望が見えたような、明るい気持ちになった。
「お前何してんだ!馬鹿!やめろ!
お前、自分が何をしようとしてるか、わかってんのか?今なら間に合うから、だから…」
俺のカラッポ頭に入っている語彙なんて、そこらの中学生より少ない。
ありきたりの言い回ししか出てこない自分にうんざりした。歯がゆかった。
いっそあいつのもとへ飛んでいって、一発ぶん殴ることができたら…
どんな言葉よりも俺の気持ちが伝わるだろうに。
「…いいんだ。俺、決めたんだ。後悔なんか、しないから」
さっきよりも棘のない声だった。
「だから、行かせてくれ。」
俺が説き伏せられてどうする。
頭では理解できるのに、あいつの気持ちや、
生い立ちを考えると、止めるほうが酷な気すらしてきた。
あいつの人生がめちゃくちゃになっちゃうのに、
止めなきゃいけないのに…止めなかったら、もう二度と会えないかもしれないのに。
「…お前に会えなくなったら寂しいから、やめろよ。」
つぶやくように俺が言うと、電話の向こうから小さな笑い声がした。
「すげー説得力あるな。それ…」
解釈が分かれそうだな
悲恋エンド好きの自分は、笑ってそう言いながらも
携帯を切って行ってしまう姿を想像した
自分も切なめエンドが好きだわ
そうか…これで考え直すハッピーエンドもありなのね
素直に萌えればよかったのか
最近のオチ付け文化に毒されてるな
吐息交じりでちょっと笑うんだ…
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