2009年12月13日

魔女といわれ村八分なファンタジーな妄想

人に言えないような恥ずかしい妄想を書き込むスレ7
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@喪女板

601 名前: 彼氏いない歴774年 [sage] 投稿日: 2009/12/13(日) 07:28:47 ID:2h+ZRsmU

魔女といわれ村八分なファンタジーな妄想。

いらずの森と言われる奥深い森の奥にひっそりと暮らすモージョ。
彼女の一族は代々森の近くに住む優秀な薬師だったがあまりに優れていた為、
他の薬師に魔女の噂を広められ迫害されてしまう。

いらずの森は不思議な地で、侵入する者はあの手この手で追い出されてしまうが
彼女の一族は森に敬意を払っていたせいか受け入れられ、逃亡に成功。
しかし不思議な森に入れた事で魔女という噂の信憑性を高めてしまう。

とうとう城から討伐隊が派遣され、何度か森に突撃してくるも
全て森の不思議な力に阻まれ引き返していった。

そうしてモージョの一族は魔女狩りの手に怯えながら、ひっそりと暮らしてきた。

しかし出る事も叶わず入ってくる人もいない森の中、
一族は次第に数を減らし今ではモージョが最後の一人。
一族が森に住んだ後も続けていたように、彼女も薬の研究を続けながら
森に守られ生活していた。

ある日城勤めの一人の若い騎士が、いらずの森の魔女討伐を任命される。
若い騎士は怠惰な性格で、遊びが過ぎた為今回の討伐を命じられたのだった。

まず近隣の村で魔女について聞いて回った騎士は、魔女の一族が元薬師だった事、
何十年も姿を見た者はいなく直接何をされた訳でもないのに災厄が起きると
魔女のせいだと言われていることを知る。

疑念を持ちながら森へと侵入を試みる騎士。
しかし森の不思議な植物や霧、天候に阻まれ逃げ帰るのが関の山だった。

何度目かの挑戦時、動く大木と戦っている時に着地点にいたリスを避けて
着地に失敗し気を失う騎士。

モージョはいつも通り森の奥深くで薬草の手入れをしていたが、リスが彼女を
どこかに誘導しようとしていたので黙って後に着いていった。

着いた先には地面に倒れ伏した騎士の姿。
モージョは彼を住みかに連れて行き手当てを施す。
騎士は暢気に夕暮れまで爆睡。目を覚ました騎士はモージョに気付いても
のんびりと礼を言い放った。

「貴男は私を殺しに来たのではないの?」
「生憎俺は不真面目が行き過ぎてここに来させられた大馬鹿なんだ」

そう言って騎士はあっさり帰っていった。
それからは騎士は森に侵入を阻まれることが無くなり、毎日モージョの元に
たまに土産を持って訪れた。日に日に親交を深める二人。


602 名前: 彼氏いない歴774年 [sage] 投稿日: 2009/12/13(日) 07:29:41 ID:2h+ZRsmU
↑つづき

しかし近隣でひどい疫病が発生、半狂乱になった民衆が森に押し寄せてくる。
騎士が捕らえられ、モージョは森の浅い所におびき出されて捕縛されてしまう。
このままでは彼女が処刑されてしまう、と騎士は必死に守ろうとするが
恐慌状態の民衆の一人に刺され倒れてしまった。

騎士の名を叫ぶモージョの口は、呪いを吐くと恐れられ封じ込められてしまう。
森の入り口にはすでに火刑の用意がしてあり、すぐに縛り付けられるモージョ。
彼女は一切抵抗しなかった。
足下の薪に火が点けられた。爪先、足首、膝、腰と勢い良く炎が広がる。
その様子を見守る人々。

炎が彼女の胸元を包んだ時、口を塞いでいた猿轡が解けた。
呪いの言葉を聞かされてしまう、と民衆の中に戦慄が走る。

しかし彼女が必死に叫んだのは、愛しい騎士の名前だけだった。

その瞬間目も開けていられない程の突風が吹き荒れ、次に人々が見た時には
モージョの姿は無く火刑に使った木材の残骸だけが残っていた。

騎士が気付いてまず感じたのは冷たさだった。
目を開けると、季節外れの雪が引っきりなしに空から自分に降り注ぐ。
そして傍らには冷たい体。モージョが寄り添うように安らかに目を閉じていた。
騎士はひどい火傷を負った彼女の体を抱き締め泣いた。

モージョの血筋が本当に人を癒す不思議な力を持っていたのか、森が彼女の
願いを叶えたのかは分からないが、確かに死んだはずの騎士は無傷で生き返った。
そして彼女の死と同時に降り始めた雪は、その後何百年も降り続け森とその周辺を覆った。

その後騎士の行方を知る者はいない。
しかし何百年も経ち雪が積もり人がいなくなった彼の地の中心には、見事な大樹が鎮座し
約十年に一度、その樹に「会いに行く」という流浪の賢者がいる。

人々の間では不思議な力で生き返り長寿を得た騎士が、雪に守られた「聖女」に
会いに行っているのだと囁かれ続けた。
posted by moge at 23:23 | Comment(30) | 妄想


この記事へのコメント
  1. 普通にいい物語じゃねえか…
    Posted by at 2009年12月14日 00:07
  2. 本が刷り上るの心待ちにしてます
    Posted by at 2009年12月14日 00:10
  3. 絵本とか児童小説にしてほしい感じだ
    Posted by at 2009年12月14日 00:50
  4. せつない…
    Posted by at 2009年12月14日 00:54
  5. 人に言っても少しも恥ずかしくない妄想だと思う

    あと、ビジュアルは、「ベルセル●」のガッ●(蝕なしヴァージョン)とシール●ちゃんで想像して凄い萌えてしまった
    Posted by at 2009年12月14日 01:22
  6. 童話に近いね。ミミズクと夜の王思い浮かべた。だいぶ話は違うけど
    Posted by at 2009年12月14日 02:32
  7. 普通にイイ話で涙眼笑
    Posted by at 2009年12月14日 04:15
  8. 妄想ってレベルじゃねーぞ
    Posted by   at 2009年12月14日 05:01
  9. 森にひきこもってる魔女と騎士の話なら樹川 さとみのにあったよ。
    Posted by at 2009年12月14日 05:02
  10. これはいい悲恋エンド。
    Posted by at 2009年12月14日 08:31
  11. もの売るってレベルだぞ。小説かけ
    Posted by at 2009年12月14日 08:45
  12. 谷山浩子の歌になりそうだ。
    Posted by at 2009年12月14日 09:04
  13. おおおおなんだこれは!
    目から水が……
    Posted by at 2009年12月14日 09:36
  14. あんまり似てないのに山田圭子の短編漫画の花嫁思い出した
    Posted by at 2009年12月14日 13:21
  15. なんとなくティンダーリアの種思い出した
    Posted by at 2009年12月14日 14:00
  16. 良い話じゃないか
    Posted by at 2009年12月14日 14:55
  17. 完成された妄想だなぁ
    なにより文才ありすぎだろjk・・
    Posted by at 2009年12月14日 15:09
  18. 最後らへんで民話の「霧山の王」思い出した
    あれは旦那おいてけぼり+干魃で集落消滅エンドだったけど
    Posted by at 2009年12月14日 15:36
  19. これもある意味、旦那が置いてけぼりで、集落消滅エンドだな。

    で、どこ出版なの?
    Posted by at 2009年12月14日 17:44
  20. 泣いてしまった……悲恋だけどいい話だね
    Posted by at 2009年12月14日 20:45
  21. 前半部分が自分の今してる妄想とそっくりでワロタ
    Posted by at 2009年12月14日 23:13
  22. やばい。泣く
    Posted by at 2009年12月15日 00:18
  23. 全俺が泣いた
    Posted by at 2009年12月15日 00:39
  24. 画面が滲んでよく見えないので
    注文先を教えてください。
    Posted by at 2009年12月15日 09:53
  25. 映画化決定
    Posted by at 2009年12月15日 09:55
  26. なんというトラジェディー
    Posted by at 2009年12月15日 17:26
  27. 童話とか児童文学とかそんな感じだ
    いやこれ本当に本にしてもいい感じ
    Posted by at 2009年12月15日 19:06
  28. 何この名作
    Posted by at 2009年12月16日 15:35
  29. 注文したいんですが、なんというタイトルですか?
    Posted by at 2009年12月19日 20:59
  30. これは普通に買いたい。売ってくれよ
    Posted by at 2009年12月25日 10:57
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