2009年10月31日

なんにも分かっちゃいない

チラシの裏@801板 二百三十五枚目
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@801板

675 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2009/10/31(土) 00:14:34 ID:9waY0C670

白ヤギさんからお手紙着いた 黒ヤギさんたら読まずに食べた
仕方がないのでお手紙書いた さっきの手紙のご用事なあに

茶色ヤギ
「くっく、こいつは見ものだな。君の真心のこもった手紙を
 黒ヤギのやつ、一体どうしてしまったと思う?傑作な返事を
 書いてよこしたぜ。なるほど、『開く必要は無い』と君が言うはずだ。
 あの食い意地の張ったいやしんぼのしそうなことが、聡明な君には
 ちゃんと分かっていたんだな。どうだい、さすがに愛想も尽きた頃だろう。
 君に相応しい相手は、他にいる」

白ヤギ
「なんにも分かっちゃいないのはお前だけだよ、茶色ヤギ。
 僕の送った手紙、あれは特殊培養の繊維で織られた職人仕様の逸品で、
 高原に吹く風に運ばれるような、オレンジの香りを包みこんだものだ。
 想像してご覧。郵便配達人の手から、黒ヤギは手紙を受け取る。
 送り手の名を確認し、黒ヤギはなんだろう、と不思議に思う。ほのかな予感に
 ゆっくりと胸を高鳴らせながら封を切る。やがて立ち昇る澄んだ芳香。
 清らかな空気。思わず吐息を漏らした黒ヤギは同じ唇で、あのビロードよりも
 高貴な毛並み、汚れなき体を護り慈しむ豊かな毛並みがそこに及ぶことだけは
 躊躇った唇で、侵しがたき唇で、そっと手紙を挟みこむんだ。この僕から
 送られた手紙を!一筋の疑いもなく、鼻孔をくすぐる誘惑に抗いもせず!
 何という信頼だろう、何という官能だろう!おそらく彼からの手紙はしおらしく
 用件をうながしちゃいるだろうが、そんなものは必要ないんだよ。なぜって言葉で
 なくて、黒ヤギは僕を本能で理解してしまっているのだから。そうだ、こうして
 君に説明してやっているように、残念ながら僕の野生は彼には及ばない。
 常に理性が先に立つ性格というのも、時には苦行だね。だからこそ僕は行動で
 証明し、彼という存在からの呼び声に応えてやらなければならないのだ。
 僕らの間に這い入る余地の封筒一通分すらないことを多少なりとも理解したなら、
 さあ、黒ヤギからの手紙を返してくれたまえ。僕は僕自身で受け取るべき愛情を、
 これからじっくりと反芻せねばならないのでね」
posted by moge at 01:04 | Comment(10) | チラ裏


この記事へのコメント
  1. あまりに茶色ヤギが可哀想で、脳内で灰色ヤギさんを紹介してしまったorz
    Posted by   at 2009年10月31日 02:06
  2. 茶色ヤギ→白ヤギ→黒ヤギですか
    Posted by at 2009年10月31日 02:20
  3. 米1はいいやつだな
    Posted by at 2009年10月31日 02:26
  4. 白ヤギをいつも追っている茶ヤギを、
    白ヤギの弟の灰ヤギが虎視眈々と狙っているんですね、わかります
    Posted by at 2009年10月31日 03:06
  5. 茶ヤギ逃げてーーー!
    Posted by at 2009年10月31日 05:17
  6. どこを縦読みすればいいんですか
    Posted by at 2009年10月31日 11:21
  7. ※4ありがとう
    もやっとしてた灰色ヤギさんのキャラが立ちました
    Posted by at 2009年10月31日 11:30
  8. 灰ヤギさん…きっとこんな白くまぶしく輝くまでに賢い兄貴を持った屈折した性格。
    「どうせ僕は兄には遠く及ばない…でもそんな兄は僕の憧れだったんだ」な感じ。
    Posted by at 2009年10月31日 12:58
  9. ※8のおかげで萌えました
    Posted by at 2009年10月31日 14:40
  10. オスカーワイルドみたいだなあ……
    と思いながら読んでたらラストの反芻で噴いた
    Posted by at 2009年11月01日 20:05
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