パン切り包丁

801と全く関係ないものを上げるスレ　4つ目
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＠８０１板

37 名前： 風と木の名無しさん [sage] 投稿日： 2009/03/27(金) 22:06:54 ID:PhxSAWZy0
パン切り包丁は関係ないと思います。


38 名前： 風と木の名無しさん [sage] 投稿日： 2009/03/28(土) 12:14:29 ID:hajdezv3O

パン切り包丁って見た目は人畜無害ですよね。触って指を怪我することもないし。
だから、家に来たばっかりのパン切り包丁は早速他の包丁達にナメられるのです。

「はっ、あんなナマクラで何が切れるってんだ」
「軟派野郎」
「なんでぇ、人間にばっかりヘラヘラしやがって」
「気にいらねぇ触り方すりゃブッタ切る、たとえ主人の指でもな。
　それが包丁ってもんだろうが。あいつはなんも分かってねぇ」

内心主人に気軽に触れてもらえることへの嫉妬も混じりながら、
パン切り包丁へのブーイングは日に日にエスカレートしていきます。

しかしある日、それは唐突に終わりを告げるのです。

その日初めて、パン切り包丁の出番がやってきました。
まな板に置かれたのはフランスパン。相手にとって不足はありません。

包丁達は「まさかあんな固いものが切れる訳ないだろう」と鷹をくくって見ています。
そんな中、パン切り包丁がそっとフランスパンに当てられました。

そして……

…………ぎーーこ。ぎーーこ。

「！？」

…………ぎーーーこ。ぎーーーこ。

「……！！！」

包丁達に浮かんでいた余裕の笑みが失われるまで、そう時間はかかりませんでした。
包丁達はその時、心から戦慄したのです。

今までほぼどんな物にも、「すとん、すとん」と一瞬で引導を渡していた彼ら。
それは、切られる物の苦痛を少しでも和らげようと慮ってのことでした。

ですがなんということでしょう、パン切り包丁というやつは、この悪漢は、
じっくり時間をかけて相手の上を往復し、何度にもわたって激痛を与え、そのうえ
止めはささずにいつまでも生き地獄を味あわせんとする生粋のドＳだったのです。

刃が中ほどにさしかかった頃には、もう彼を直視できるものはありませんでした。
パン切り包丁総攻め時代の、幕開けです。