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@801板
193 :風と木の名無しさん:2012/07/02(月) 22:30:31.72 ID:q6Dtf+wg0
なんか…海の向こうの遠い国からエアメールが来た
「私をあなたの専属占い師にしてください」
「私はこれまで(以下A4用紙3枚にびっしりこれまでの実績について)」
「そして今、この能力が私に告げました、今後あなたのほんの少しの手助けになれと」
「無料です、一円たりとあなたに請求することはありません」
「ただあなたの運命について私にのみ知り得ることを伝えあなたのためになりたく」
………
……自己能力過信の傲慢で高飛車なナルシストがある日夢に出てきた見知らぬ人に戸惑う
いらいらと日々を過ごしたが度重なる夢をもう無視できなくなる
見も知らぬ国の片隅で平凡に生きている彼をとうとう探し当て全てをなげうって押し掛け
男の前にこうべを垂れる
男は特に他の人間とどこが違うのかもわからない平凡な容姿だ
しかしこいつだ、間違いないこいつの人生のすべての起伏を自分だけが知っているのだ
意志に反して口から出る揉み絞るような嘆願の言葉に自分で引きつつも止められない
「どうかお傍に置いて下さい帰る国などありません」
何が目的なんだあんたに何の得があることなんだと訊かれても自分でもわからない
悔しげに唇を噛みしめ言葉を選び、それでもたったひとつの言葉しか出てこない
「…貴方を夢に見たんです」
「それだけです」
某国の占い師さんには申し訳ないけどチラシでくしゃぽいさせていただくよ
つかの間の妄想をありがとう