チラシの裏@801板 四百四十二枚目
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@801板
76 風と木の名無しさん sage 2012/05/25(金) 20:06:06.26 ID:D3KEUsY10
だんだん気温が上がってきたー
暑いのはきついけど、夏が近づくとなんかテンションが上がる
年々夏バテ対策が大変になってくるし今年は電気のアレもあって
両手を上げて大歓迎ってわけにはいかないけど、
それでも夏って季節にはなんともいえん魅力がある
例えば夏の始め、梅雨の時期に傘を盗まれて下駄箱で呆然としてるところを
普段あまり話したことのない、でも帰り道が近い同級生に助けられる
そんなシーンから始まる甘酸っぱい恋愛があるかもしれない
それからちょくちょく話をするようになって、時々相合い傘して、
後日それを見てた友人に男同士で相合い傘かよwwwとからかわれたせいで
変に意識しはじめてギクシャクしたけど
でも嫌じゃない自分に気がついて恋心を自覚するとかあると思う
77 風と木の名無しさん sage 2012/05/25(金) 20:06:42.74 ID:D3KEUsY10
例えばお盆、数年前に逝ってしまった親友に思いを馳せる
親友で仲間で、もしかしたら親兄弟よりも大切だった親友
けれど親友はある日高波にのまれて消えてしまった
遺体が見つからず行方不明として扱われ、数年経った今もそれは変わらない
それゆえに親友を諦めきれずにいたけれど、そんな彼のもとに
あの日、行方不明になった時の幼い姿のままの親友が現れる
これは幽霊なのか、それとも夢か幻か、そのどれでもいい、
今親友が目の前にいてくれる、それだけが真実だ
そのあとは彼が前向きに生きられるように親友に背中を押されてもいいし
全てを、家族も命すらも捨てて親友とともに逝くことを選択するのもまた一つの結末
例えば夏祭り、今日は櫓で和太鼓を叩くんだと
いつもは見ないはっぴ姿に身を包んだ従兄に目を奪われる
細いと思ったら意外とがっしりしてるんだなとか、普段ヘタレのくせに
太鼓叩いてる姿はけっこう凛々しいなとか、いつもと違う部分に妙にドキドキして
終わって降りてきた従兄弟に感想を聞かれて照れながらも格好良かったと返せば
珍しく素直じゃないかと頭を撫でられて、ああいつもの従兄だとほっとしてみたり
でも頭にはあの格好いい従兄の姿がずっと残っている
78 風と木の名無しさん sage 2012/05/25(金) 20:07:13.17 ID:D3KEUsY10
あるいは一緒に来ていた同級生とはぐれた少年が見慣れない子供と出会う
着物姿に張り子のお面、そんな古風な姿の子供は一緒に祭りを回ろうと少年を誘う
金魚すくいにヨーヨー釣り、水飴くじに金平糖
何もかもを楽しげに遊ぶ子供に、少年もいつもよりずっと祭を楽しんだ
最後にやってきたのが今時珍しくなった飴細工の屋台
飴が固まるまでの一時の間に魔法のような手つきで形を作る老人を
二人揃ってじぃっと穴が開きそうなほどに見つめていた
老人はふと手をとめて二人を見ると子供に飴細工をひとつ渡し
そろそろ時間だから帰りんさい、と優しく言った
驚き、そして淋しげな表情を浮かべてそれを受け取る子供
その姿がふわりと溶け、そして消える
驚く少年に老人が、あれは神様だ、世界が違うんだから
ずっとは一緒にいられないよ、と静かな声で説明する
なぜそれがわかるのか、それは老人もまた幼い時に
寸分違わず同じ姿の子供とともにこの祭を回った記憶があるから
そんな現実と非現実の境が曖昧になるのも夏のイメージ
ぐだぐだと何が言いたいかって言うと皆夏を毛嫌いしないで楽しもうぜ!
水分と塩分を適量補充して温度差や冷やし過ぎに注意して健康に!
おおきく振りかぶって 〜オレらの夏は終わらない〜