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@喪女板
380 彼氏いない歴774年 sage 2012/05/14(月) 00:55:22.43 ID:Rc5FMGte
ポケモンオタク真っ盛りだった頃、最愛のヒトカゲを育てる妄想してた
小学生のある日、ヒトカゲを飼い始めた。どこでも一緒だった
帰り道のランプにしたり、寒い日のストーブしたり、読書用ランタンにしたり
歩けば嬉しそうに後ろから追ってくる。怒るとしょんぼりする
悲しくて泣いている時、ひょいと抱えて膝に乗せてやると笑う
友達と喧嘩しても親に怒られても、ヒトカゲだけはいつも傍にいてくれる
中学に上がって暫くすると、ヒトカゲがリザードに進化する
強面になってヤンキーのように振る舞う反抗期のリザードに怯む私
もう膝に乗ってくれないし、抱きつこうとしても振り払われる
その頃は毎日喧嘩してギクシャクした。私が優しく出来なかったのは
クラスで苛められてて辛かったのも一因だった
あんなに楽しかったのにどうしてこうなっちゃったんだろうと凹む日々
でもある日、悪口を言ってきたいじめっ子に、ボールから勝手に出てきた
リザードが牙を剥いた。結果、面と向かっていじめられることは無くなった
ツンとしてるリザードにお礼を言うと、ちょっと恥ずかしそうにしてた
JKになると私は学校で上手くやれるようになり、リザードも大分丸くなった
膝に乗ってはくれないし学校には来ないけど、一緒にご飯を食べたり
部屋で寛いでいる時など何となく傍にいてくれるようになった
大学進学で県外に出ることになった。憧れの一人暮らし。勿論リザードも一緒
でも引っ越してから、リザードは頻繁に日を跨いで家を空けるようになった
私もサークルにバイトに忙しくしながらも、どこで何をしてるか心配してた
ある日の夜、空から明るい光が近付いてくると思って窓を開けた
リザードンに進化したリザードがいた。進化するため修行していたのだ
逞しく美しいリザードンの姿に感嘆する私を、彼は背に乗せて飛び立つ
星空の下を、リザードンの広い背中に乗って飛行する
修行で一皮むけたのか、大人の風格で優しく私を気遣うリザードン
成長したヒトカゲの姿に思わず涙しつつ、私はリザードンの首に抱きついた
大学を卒業し、私は就職で上京する。当然リザードンを連れていくつもりだった
しかしリザードンは困った顔をして首を振った。困惑する私に、
彼は雌のリザードンを紹介する。彼はこの土地で伴侶を見つけていたのだ
リザードンの生きる場所と私の生きる場所が初めて別れてしまった
もう彼は、私だけのヒトカゲじゃない。守るべき家族がいるのだ
「それなら私もここにいる、行きたくない」と我儘を言う私を
リザードンは静かに抱えあげると、自分の膝の上に乗せた
小学校の頃と真逆の光景。リザードンの温かい身体を抱きしめながら
私は理解する。私たちは各々の場所でやるべきことをせねばならないと
就職して私は一人、東京に来た
慣れない土地と仕事に、時々どうしようもなく泣きたくなる
そんな時は、自分が住んでいたあの土地の方向を眺める
遠く離れた街のリザードンの姿など肉眼で見えるわけもないが
ぼんやりしたオレンジ色の遠い街明かりを見ていると、そのどれかが
私のヒトカゲの、あの温かい尻尾の炎のように見えてきて
そのたびに気持ちを奮い立たせることが出来るのだ
キモい長文すみません。ヒトカゲが大好きです。