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@801板
182 風と木の名無しさん sage 2011/09/06(火) 17:49:10.99 ID:mE8FpS/NO
色鉛筆の国がありました
色彩豊かなその国にはたくさんの色鉛筆が住んでいます
そこに最近、この国の住民か否か微妙なものが現れました
赤鉛筆さんです
赤鉛筆さんは赤い色のついた鉛筆です
色のついた鉛筆が色鉛筆なら赤鉛筆さんは色鉛筆ということになります
ですが色鉛筆の国の赤いものは赤鉛筆とは呼ばれません
赤い色鉛筆さんと呼ばれます
赤鉛筆では赤い鉛筆になります、鉛筆の国に住むべきなのでは、と誰かが言いました
それに色鉛筆セットに赤鉛筆さんは入ってませんよ、と誰かが言いました
赤鉛筆さんは困りました
実は鉛筆の国でどうしてお前だけ赤いのか、硬さの称号もないし
お前鉛筆じゃないだろうと追い出されてここに来たのです
この広い世界で僕だけはっきりしないなんて、そもそも
赤鉛筆って言うけど朱色っぽいし、あぁますます曖昧だ
そう思っていると一本の鉛筆が赤鉛筆さんに手を差し出しました
それは青い鉛筆、そう青鉛筆さんです
青鉛筆さんも赤鉛筆さんと同じように自分がどちらの国の住民か悩み、
鉛筆の国と色鉛筆の国の間をさまよい歩いていたのでした
鉛筆でもない色鉛筆でもない僕らは二人だけで生きていこう、と
青鉛筆さんは言いました
赤鉛筆さんは喜んでその手を取り二人で鉛筆の国と色鉛筆の国の間に
小さな家を建て仲良く暮らしました
ただ赤鉛筆さんは青鉛筆さんより3倍早く寿命を迎えてしまうので
青鉛筆さんは遠くない将来にまた一人ぼっちになってしまうのでした
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