*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart19
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@801板
209 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2010/07/03(土) 14:25:22 ID:0dyUt4HrO
ペットボトルと缶
210 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2010/07/04(日) 00:48:55 ID:DaLkLmHmO
私はペットボトル。
何回もリサイクルされてるから場数は踏み慣れてるが、
昨日飲み干された私は誤ってアルミ缶のゴミ箱に捨てられた。
『んだぁおめー。来るとこ間違ってんでねえのか』
『ここは…貴方は?……ぷっ。ああ、持ち運ぶにも不便な私の先駆者様方でしたか』
周り中に転がる缶の群れ、群れ、群れ……そこからが地獄の始まりだった。
「あああっ……嫌だ………もう嫌だぁ…止めてください………っ!!」
「だとよーおめーら。石油系は軟弱な上に綺麗好きでいけねーな」
「そうっすねえ大将」
「……あヒっ!」
リーダー格だろうその赤い缶の言葉に、上から下から、周りの缶が私にのし掛かってくる。
言葉通り軟弱な私の体はそれだけで押し潰されてしまう。
「ペットボトルさんよ。俺達ぁ容器だぜ?蓋なんか開けっぱなしでなんぼだろうが」
赤い缶が笑う。
「なーんも不自然じゃねぇ。おめーみてーに始終蓋着いてるのが正しいわけじゃあねーのよ」
……ダメだこの顔は……まただ、また来る……!
「うわあああああ!!!」
周りの缶は一斉に開きっ放しの飲み口から、
かすかに残った夏場に異臭を放つ醜悪な液体を私の全身に注いだ。
昨日から新入りが来る度にこうして汚され、透明だった体は今や
何色だったのか判別出来ようもない。
「おっ新入り早速入ったみたいだぜー。じゃ、第二波いっきまーす」
「いっ、やっ、止めてくれえ!!休ませ…………っ」
「……誰がそんな口きいていいっつった?」
「ぐッ!」
その覇気に、最早潰れた体が更に萎縮する。
いや違う。事実更に押し潰されているのだ。何かしらの意図を持ってのことなのは明白。
「今ので気が変わった」
体が萎み、蓋が弛む。それは則ち、マズイ。マズイ所ではなくマズイ!!!
「次は、おめーの中にぶっ放すことにする」
――先駆者を侮ることは、ここまでに罪が重いのか?
必死に隣に設置されたペットボトル専用ゴミ箱を見ようとするが。アルミの壁を透かして外を見ること叶わず。
「た…たたたた助け………うあぁぁぁぼぐうぼぼごおおっ…かはアっ!」
「ほらほらどうした。オレらよりもよっぽど容量あんだろ?」
「ぐうう!」
私を飲み干した男児よ。
私が貴方に何をした。
ペットボトルが次のゴミ収集日に正しく分別されるまで、あと五日。
空き缶の夢
posted by moge at 23:14
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